前回述べたようにどんな分野であれ、
複雑なものを理解するための第一歩として、
「分類」をするのは重要です。
古代から人類につきまとう性格を
ズバッと理解するためには、
やるべきことはたくさんありますが、
ここでも分類というやり方は役立ちます。
さて、
膨大な性格を分類する方法として、
古い時代から人間が用いてきた整理方法の1つが、
類型論(タイプ論)
と呼ばれるものです。
まさしくこれも前回紹介した例のように
人々をいくつかのカテゴリに分類
することで整理を試みるやり方です。
〇〇な人、△△な性格…
ざっくりとした分類で
「あの人は怒りっぽい」
「私の彼は優しい人」
「うちの上司は石橋を叩いて渡る人だよ」
といった「〇〇な人」
という言葉で表現される特徴、
ある人について「〇〇な人」という
カテゴリに入るかどうかを判断するので、
まさに類型論的な表現方法なのです。
人の性格は〇種類に分けられる
というような占いや心理ゲーム、
それらに関連する書籍も
多数出版されていますが、
これも類型論です。
多くの人にとって「性格診断」と聞くと
こうしたやり方が思いつくことでしょう。
このテーマで詳しく解説する予定の
ユングの16パターンの性格タイプや
エニアグラムの9つの性格タイプも
この類型論の性質があります。
血液型、星座、干支、人相、都道府県別気質
などに非心理学系の性格判断も、
基本的には
「何に当てはまるか」で
人々を少数のカテゴリに分類し、
性格の判断をしますので、
この類型論型の性格分類と言えるでしょう。
古代から分類されてきた人間の性格
前回、生物を哺乳類や爬虫類など
分けて整理する例を紹介しましたが、
つまり性格の類型論はその整理方法を
人間の性質に当てはめたものです。
細かく見ればチータもピューマもトラも
別の種類の動物ですが「ネコ科」でまとめると
分かりやすくなるものですし、
大体の場合は同じ傾向を示すものです。
さて、
もちろん人は古来からこうした分類を分ける
思考法を持ってきた訳ですが、
興味深いのがその分け方も進化発展するものです。
こうした整理方法の歴史は古く、
起源は古代ギリシャ・ローマ時代
にまで遡ります。
当然です。人類は古代から心を持ち、
それは多様な性質を現してきたはずです。
そこに興味を持つのは当たり前の流れです。
例えば、
古代ギリシャの哲学者であり
植物学者でもあったテオプラストスは
『人さまざま』という著書を残しています。
この本には、
「へそ曲がり」「おしゃべり」「虚栄」
「恥知らず」など
30の性格を取り上げており、
当時の人々の生活の様子が
リアルに描かれていますし、
性格そのものは今と昔もあまり
変わっていないことも理解できます。
例えば、
「へそ曲がり」の人は、
挨拶をされても返さず、
道で石につまづけばその石に悪態をつき、
長い間待つことはしないなど、
言葉や態度が無礼で荒っぽい人
として描いています。
環境は進化したが心は不変のまま?…
テオプラストスが生きていた時代と
今私たちが生きる現代は、
環境はまるで違うことでしょう。
しかし、それでも当時も今と同じような
特徴の人がいたというのは、
非常に興味深いです。
「石」が「スマホ」に変わっても
そのまま同じことが言えそうですね。
もしからしたら、当時から人類の精神構造
自体はそれほど多くはないのかもしれません。
技術や環境は変わっても、人間の本質は
ほとんど変わらないのかもしれません。
また、古代ギリシャの医師ヒポクラテスによる
体液のバランスが病気につながる
「四体液説」がありますが、
これに由来し、古代ローマの
ガレノスという人物が発展させた、
『四気質説』は性格分類の
起源の1つとされています。
人間の基本的な気質を4つに
分類するもので、
「多血質」は、
快活、楽天的で社交的、
「黒胆汁質」は、
心配性で暗く憂鬱になりやすい、
「黄胆汁質」は、
感情的で怒りっぽく攻撃的、
「粘液質」は、
穏やかで公平で堅実な気質
とされています。
この四気質説は近代医学が
発展する19世紀まで受け継がれ、
多くの文献にも記述され、
様々な理論の基礎となっています。
精神分析の世界で有名な
メランコリー、メランコリックな性格
という言葉も、
この四気質説における
黒胆汁質のことです。
そして大事なのは、私たちは
学術的にこうした分類を細かく覚えること…
ではなく、性格の分類をうまく
人生に活用することなのです!
が、
まずは性格を知るための第一歩として、
こうした類型論というものがある。
これをとりあえず覚えておいてください!


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