人体というのは生まれつき、
本能的に健康になるための
メカニズムが体に備わっているものです。
素直に体の声を聞いていれば、
健康に過ごせるはずなものの。。
現代人の多くはその声を無視しがちです。
肩こり、あくびに引き続き、
体の声を無視してしまう現代人の特徴が、
「便秘」に表れているでしょう。
ある調査機関が行う調査結果を見た所、
最近では20~30代の若い女性では、
30~60% およそ二人に一人が
便秘を抱えているようです。
男性ではもう少し少ないですが、
それでも5人の一人くらいの割合が
便秘の問題を抱えており、
さらに便秘を訴える人の割合が
年々増えていると言う報告もあります。
便秘の三つの症状とタイプ
それほどの現代人の体に「排便」
という非常に本能的、生理的な
機能が上手く働いていないのです。
そもそも便秘はどうして起こる
のでしょうか?
医学的な分類では、
大腸がんのような病気が原因
となるケースを別にすると、
慢性の便秘には
「弛緩性便秘」
「直腸性便秘」
「痙攣性便秘」
という三つのタイプがある
と言われています。
「弛緩性便秘」というのは、
腸の蠕動運動が弱まり、便が腸の
途中に停滞してしまうタイプです。
高齢者や筋力の弱い人に 多いようです。
「直腸性便秘」は、
いつも便意を我慢する事で
便意が鈍感になってしまい、
結果として直腸(肛門に最も違い
腸の出口付近)に便を溜め込む
タイプです。
「痙攣性便秘」は、
精神的なストレスによって
腸が痙攣してしまい、
下痢と便秘を繰り返すような
タイプです。
患者さんが近年増えている
過敏性腸症候群という病気が
このタイプの典型例です。
便秘のメンタルと体のメカニズム
もちろんこうした三つの要因が
混じり合う症状もあり、
はっきりとタイプ分けが
できない事も多いようです。
便秘関連の著作を何冊も書いていて、
「Dr.デル(出る)」 という
ニックネームを持つお医者さんが
いるのですが、
それがくにもと病院院長の
国本正雄先生です。
そんな国本先生は著書で
「便秘の患者さんが便秘になった
経歴を探って行くと、
まず間違いなく、便意を
我慢した時期が見つかる」
とメンタルの関連性を指摘しています。
先ほどの分類で言うと
二番目の「直腸性便秘」
つまり、
「我慢しすぎて便意に鈍感になる」
に相当する要因が、
大半の便秘の成り立ちに、
多少なりとも関わっている
ということです。
便意を抑えつける現代社会
現代人の抱える大半の便秘は、
メンタルから来るものなのです。
小中学校の男子では、学校の
トイレで大便をするために個室に
入って周囲にバレるのが嫌で、
我慢するケースが多いそうです。
女性の場合であれば、
高校生くらいから
朝の身支度が忙しくなり、
トイレタイムを
省略するようになります。
また働き始めてからでは、
職場の雰囲気が堅苦しいとか、
接客をしなくてはいけない
と言った事情の中で、
いつも我慢をしていて、
便秘になってしまうケースも
かなりあるそうです。
こんな日常な我慢の積み重ねが
やがて 便意という体の声を遠ざけ
問題を起こしてしまうのです。
便意を我慢して便秘になる問題点
私の家族の一人に、 かなり
頑固な便秘の持ち主があります。
彼女の便秘経歴を振り返ってみると、
子供の頃から便が 出るのに
時間がかかるタイプで、
毎朝家族の迷惑の
タネになっていたらしく、
文句を言われていた事が嫌になり、
よくトイレに入るのを諦めたり、
途中で切り上げたりして、
家を出ていたようです。
もちろん学校では「大」の
個室に入るのが嫌で便意を感じても
我慢した事が 多かったのです。
また社会人になってから、
スケジュールが忙しくなり、
先方の待ち合わせに遅刻しないよう、
せっかく沸き起こった便意を
ギュッと押さえて移動する、
そんな生活を繰り返し
習慣的になっているうちに、
慢性の便秘になり、
そもそもあまり便意を感じないような
体になってしまったのです。
まさに肩こりやあくびの麻痺と同じく、
メンタルと体のメカニズムが
彼女の自然な排便をなくしたのです。
それが普通になればもう便意を
我慢する必要もないと言います。
便秘になる問題点とデメリット
要するに家庭でも学校でも職場でも
「トイレに行かないですむ体」
の方が何かと便利だったわけで、
我慢が習慣化すれば、 そもそも
だんだん便意すら感じなくなるのです。
まさにメンタルが影響し、
生理現象の仕組みまで
変わってしまったのです。
それは、彼女にとって表面的には
都合が良かったわけですが、
体の内面には問題が徐々に
積み重なって行きます。
便秘で宿便が腸内に溜れば
疲れや肩こり冷え性などの
不調を抱えるようになり、
体臭やニキビなど
目に見える症状を起こし、
さらにガンや脳梗塞など
病気のリスクも増えるのです。
そうならない為の便意は
体からのシグナルです。
それを抑え込み続ける…
結果として、
せっかく体が発した便意という
メッセージを長年にわたって抑え続け、
わざわざ鈍い体を作り上げて
行った事になるのでしょう。
体の声を聞く健康メカニズム
そんな彼女も、
排便の大切さをアドバイスし
しっかり指導した結果、
便意を感じた時にしっかり
トイレに行けるようになり、
体も快調に向かいました。
メンタルが変われば、
体の働きも変わるものです。
便秘というのはありふれた不調なので、
軽視されあまり大事として
扱われない事も多いですが、
考えてみれば排泄と言う
体の最も基本的なメカニズムが、
多くの人の体で機能不全に
陥っている現実もあるのです。
生き物のあり方として
深刻な問題のはずです。
便意を我慢して便秘になる
問題点は想像以上に大きいのです。
これを一大事と感じなくなる
現代人の感覚も、
腸と一緒に鈍くなっている
のかもしれません。
体の声を聞くという事はメンタルと
体のメカニズムで大きな影響を受けます。
いかに体の声に素直に耳を傾けられるか
が、
健康にも美容にも長寿にも
大切な事なのでしょう。


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