「学校」と聞くと何を
イメージするでしょうか?
…
同級生と仲良く過ごした学生時代を
思い出す人もいるでしょうし、
勉強が辛かった、学校で悲しかった
など暗いイメージを思い浮かべる
かもしれません。
義務教育の名の通り、現代人は
当たり前のように学校に通うのが
普通になっています。
ここまでユダヤ人とトーラーの
学びについて見てきましたが、
その学びを支えている
世界で最初の義務教育
と言われる「ユダヤ人と学校」 について
これから簡単に解説していきます。
今、日本の教育制度も課題は山積み、
悲観的な観測が上がっています。
システムに抜本的な改革が
求められているのはずです。
学力が学問の程度が国力を決める
大きな要因になることは、
明白な事実でしょう。
それが日本の将来、未来を決定づける
といっても過言ではありません。
国というのはいつ何時
落ち目になるか分かりません。
国の成長も衰退も教育次第?
例えば、
アジアのフィリピンという
国がありますが、
日本からのイメージとしては
やはり貧困国という印象ですね。
ただ、フィリピンは一時
アメリカの領土となり、
その文化影響を強く受け、
アジアで最も豊かな国になった
事があります。
大学進学率が4割を超え国中が
リッチになった時代もあるのですが、
フィリピン経済はあっという間に暴落し、
国が貧乏になってしまい、 学校教育に
予算を回せなくなり、
学力が一気に崩壊してしまいました。
その結果、経済も教育も急降下し
短期間に国力が転落してしまったのです。
国の、民族の命運を分けるのは
やはり教育なのです。
しかし歴史上脈々と世界中でしたたかに
学力を磨き続けてきた民族がいます。
それがユダヤ人です。
ユダヤ人のことわざに
「過去1000年起きなかった事が
明日起きるかもしれない」
という言葉があると言います。
これからますます予測不可能な
社会になっていきますが、
どんな状況になってもたくましく
生きれるように教育してあげるのが
親の役目ではないでしょうか?
そこで、
ユダヤ人の学校教育について学ぶのは
大変意義がある事です。
ユダヤ人学校教育の始まり
歴史を振り返ると国家による民衆への
教育はずっと軽視されてきました。
なぜなら、統治者にとって
民衆が賢くなればコントロール
するのが難しくなるからです。
教育システムが整ったのは
日本でも比較的近い歴史です。
しかし、
ユダヤ教の義務教育は
紀元前2世紀に既に始まった
と言われます。
つまり2千年前のシーザーや
クレオパトラの時代に、
ユダヤ人の間では、義務教育の制度が
あったという事です。
これは恐らく世界で最も古い
義務教育と言えるでしょう。
ユダヤの義務教育は
全ユダヤの男子に向けてであり、
古代ギリシャのスパルタなどで
行われていました。
貴族などの特権階級のものだけが
学べる義務教育の学校とは違います。
ヨーロッパでは近代史になるまでの間、
1642年にドイツで「ゴータ教育令」
と呼ばれる義務教育の走りのような
試みも ありました。
しかし、
実際に各地で義務教育が人々に
次々と施されるのようになったのは、
19世紀の産業革命後、
もしくは第二次世界大戦後だった
という事を考えると、
如何に早い時期からユダヤ人は
学校教育に力を注いできたか分かります。
ユダヤ人のための学校イエシバ
教育を人生の中心に据える
という伝統が脈々とあるのです。
またユダヤ人は、
子供をユダヤ人として大人にする
義務を負っていると考えます。
一般で社会で成功する為の学問だけでなく、
宗教や歴史、言語、伝統様式など、真剣に
ユダヤ人の科目を教える教育機関があり、
そこでは若いユダヤ人に仲間と一緒に
楽しくユダヤ式経験を積ませ、
ユダヤの歴史に付いて学ばせる
ユダヤ神学校(イエシバ)
というものがあります。
彼らは上手くヘブライ語を話し、
ユダヤ教について多くを知ります。
このような教育への努力により、
長い歴史の中で、すべてのユダヤ人男子が
家庭や学校で学び、 多く民族が文字を
読めなかった時代に、
ユダヤ人は読み書きは少なくとも
ほとんどの男子は出来ているように
なっていたのです。
現在のイスラエルのイエシバの特徴
イスラエルの首都エルサレムの
中心とも言える祈りの場、
嘆きの壁に対峙する場所に
堂々とそびえるのが、
「エイシュ・トーラー」
(トーラーの火の意)
と呼ばれる大きな施設があります。
この場所こそ、世界35都市に支部に置く
ユダヤ人の為のコミュニティーセンターであり、
イエシバとしての機能を持つ
教育機関なのです。
特に重要な施設の為、
厳重なセキュリティとともに、
巨大な建物の中には多くのユダヤに
関する膨大なアーカイーブを要します。
知識を守ることは財産を守ることと
同義のことなのです。
ここでは初歩レベルから、
インテンシブなクラスまで、
ヘブライ語聖書、タルムード学習、
ユダヤ人の歴史や哲学、ヘブライ語
などの講座などが開かれており、
指導するラビの学問の専門分野も多岐に渡り、
学術的な分野以外も
家庭問題に対応するラビもいて、
ユダヤ教という概念は人生の行動全てに
影響を及ぼす 強固な地盤を持った
宗教である事が分かります。
ユダヤ人の学問への情熱、
教育制度へのこだわりは、
今も消える事はなく
むしろ増え続けているのです。
学力を磨き続けるユダヤ人
世界中から圧倒的な献金が集まり、
充実した奨学金制度がある、
これもやはりユダヤ人が教育制度を
重視している事の現れでしょう。
自発的に学びたい人が集まり、
それをサポートする環境がある、
全ての教育システムが目指すべき
理想のようなシステムがあります。
毎年世界中から30万人ものユダヤ人が
プログラムに参加し学んでいるようです。
エイシュ・トーラーの副学長
ガブリエル・クライナーマンさんは、
(元MITの教授)
「この学校は国際社会における
ジューイッシュリーダーを育成する
為の学校です。
ひいては彼らが世界的なリーダーとなり、
より良い世界作りに貢献する事を
目的としています。」
と選民思想がにじみ出るような
教育理念を語っています。
そしてそれを現実にしている、
この成果こそ、教育への信念を
さらに高める動機になるのでしょう。
現在のエイシュ・トーラーは、
ある程度学歴を持った社会に出た大人が、
ユダヤ人のアイデンティティを見つめ直す
事を目的に通っている人が多く、
学生のようなノリではなく、
みな落ち着いて学んでいるようです。
そして女性の為のクラスも用意されています。
積極的に議論し、文献を読みふける、
…あまり最近の日本では
見かけられないようになっています。
教育を重視するユダヤ人
そして古代からユダヤの掟として
「120人以上のユダヤ人が住む
地域には必ず教師がいなくてはならない」
(タルムードの一節) と決め、
「それによってのみ
ユダヤ人共同体は完成する」
と考えられました。
ユダヤ人は勉強の場である
学校を非常に大切にしてきました。
12世紀のユダヤ教の哲学者、
医師でもあったマイモニデスは
「学び舎のない街は破門である」
とまで言ったのです。
だからこそ教育を重視する
ユダヤ人は迫害を受けながらも
しぶとく豊かに生き抜いてきました。
先ほど紹介したフィリピンの事例でも
国民のすべてが貧しいのではなく、
一部の人は勝ち組になり、アメリカでは
フィリピン系の財界人の多く活躍しています。
彼らは欧米の一流大学などに行き
独自に学問を学び学力を付け
国に頼らず豊かになったのです。
これからの日本はどうなるでしょう?
未来の事は分かりませんが、
いざというときに頼りになるのは
お金でも土地でもなく、
自分の身に付いた高い教育であり、
そういったことからもユダヤ人式
学校教育や教育法も大変参考になります。


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