シータ波という興味深い脳波の特徴、仕事や勉強に活用する方法

究極の勉強法と至高の学習法

前回、リラックスした
アルファ波の状態が学習の
カギを握るという話をしました。
ここでさらに深い脳波の状態である
『シータ波』
というのは、
かなり興味深く面白い
特徴を持つ脳波の状態です。
このシータ波の脳波を
学習に活用することはできるでしょうか。
答えは「YES」です。
ハッキリと目覚めている状態と
眠りに就く瞬間の境界的状態の時
このシータ波の脳波状態は起こります。
ベータ波からデルタ波まで
4つの脳はを紹介しましたが、
脳が眠っている熟睡時に
発生するデルタ波を除外すると、
脳が働いているときに
最も周波数が長い、
最も動きのゆっくりな
特徴を持つのがシータ派で、
基本的には居眠りしそうな
まどろみの状態の時に出る脳波ですが、
これを覚醒時に出せれば、
シータ波は集中力を高めたり、
記憶力も高まる特殊な脳波状態なのです。

海馬が活性するとシータ波が出る

例えば、
映画や音楽などに深く感動した時、
或いは恋愛やスポーツなどで
かなりうまく言ったとき、
長年の願いが叶ったとき…など
背中から首筋に欠けて
ザワザワとして感覚に包まれた
経験はありませんか?
実はその瞬間に、
海馬や額の上に当たる前部帯状回から
シータ波が発生しているのです。
リラックスしているときのアルファ波、
イライラしているときのベータ波に対して、
何かに没頭していたり、
高揚感を味わっていたり、
空間を移動していたり、
レム睡眠時などに出る脳波です。
この興味深い脳波の状態を
ある程度コントロールできたら、
仕事でも勉強でも大きな
飛躍を起こせる可能性もあります。

シータ波が出るメカニズムとは?

ある科学実験の話です。
迷路学習をしているラットの
脳波を測定した所、
海馬のあたりでシータ波が
盛んに出ている事が確認されました。
そしてこのシータ波は
神経細胞を刺激して、
新生ニューロンを生み出す事も
分かってきたのです。
また人工的にシータ波を作り出し
培養した神経細胞に流すという
実験も行われましたが、
ここでもマウスの新生ニューロンの
活動が活性化されたり、
神経幹細胞が活性化する事も
確認されています。
さて迷路学習というのは、
ラットを迷路の中に離して
出口を探索させる実験です。
このときラットは迷路という
新しいシチュエーションに直面し、
あれこれ迷いながらも徐々に
道を「記憶」して、
出口への道順を導き出すのです。
こうした作業が行動学的に
「学習」と呼ばれるのです。

シータ波を仕事や勉強に活用する方法

これを人間に例えるなら、
初めて降り立った駅で、
地図を片手に目的地に歩いて行く
ような状態でしょうか。
もう少し抽象的に言えば、
「集中して、新しい事を
吸収しようとしているとき」
と言えるでしょう。
こうした集中した状態、
行動学的な学習状態にある時
シータ波が出るのです。
同じ頭を働かせている場面でも、
過去のケーススタディを
照らし合わせて考える場面とは、
大きく違います。
あくまでも新しい事へのチャレンジ
が必要なのです。
そして、こうした迷路学習を
しているラットについては、
脳に電極を指して、かなり正確な
脳波を測定する事が可能です。
もちろん人間で同じような
実験をする訳にはいきません。
そしていざ測定しようとしても、
正確にシータ波だけを測定するのは
難しいと言われています。
しかし、実際に人間もいわゆる
没頭した状態に入った時、
このシータ波が出ていると言われています。

記憶や集中力を上げるシータ波

シータ波が発生する時
記憶を司る海馬が活性化するのです。
その活性化を導く要因の一つが
「快感」
です。
人は快感を覚える時、
ドーパミンが分泌しますが、
これが記憶に関わる神経伝達物質の
アセチルコリンを作る器官を刺激します。
そしてアセチルコリンが発生されると、
海馬で長期増強というものが発生し、
記憶力が高まるとともに
シータ波が発生するのです。
そして海馬でシータ波が発生すると、
それに連動するように、
前部帯状回からもシータ波が発生し、
この前部帯状回は
やる気や集中力に関わるので、
モチべーションが高まり、
集中力が増すのです。
当然、仕事でも勉強でも
大きな成果を出せるでしょう。
…という事はつまり、
逆に言ってしまえば、
学習効果や記憶力を高めるには、
シータ波を発生させるような状態を
意図的に作り出してしまうのもありなのです。

幻想やまどろみの正体は「シータ波」

このシータ波はの状態を
「幻想」と呼ぶ人もいます。
このまどろみのような段階は移ろいやすい
幻覚のイメージと関連しています。
人類が築いてきた何千という
芸術、文学的、科学的な発明などは
このシータ波の状態で生まれた…
つまり、
潜在意識との接触を可能にする
思考に負うところが大きい可能性
もあります。
かのアインシュタインが相対性理論を
考え付いたあの状態…
もシータ波と深い関わりがある
可能性があると言う意見もあります。
「アインシュタイン博士は
瞑想によってシータ波状態に入り
未来の理論を持ってきたのではないか」
という説を真剣に論じている
科学者もいます。
シータ波によって、
左右脳の共同活性化が起きたとき…
顕在意識と潜在意識も統合され
天才的な能力が発揮できるのではないか、
そう考えることも十分理にかなっています。
なぜなら実際に、シータ波の割合が
通常よりずっと高くなるとき、
論理的な左脳の活動レベルは落ちます。
この状態の際、通常は潜在意識にかかっている
フィルターのガードが取り払われます。
そして、右脳のより直感的、感情的
創造的な影響が増すようになるのです。

シータ波の特徴は未知の可能性がある

もしこの理論が真実とするならば、
一般的に直感的と言われる女性は、
男性よりも覚醒時にシータ波状態に
なり易いのでしょうか?…
またこの事は
左右脳をつなく脳梁と言う部分が女性の方が
男性よりも大きいという事と
何か関連があるのでしょうか?…
まだまだこの分野でハッキリとした学術的な
解明はされてはいないのですが、
将来の研究が楽しみですね。
ただ理論的な解明は一度おいておいて、
これから私たちが実践的に脳波を
変化させ創造性を高めて行くことには
大きな意義があることです。
兎に角、まずは実践あるのみ!です。
私たちも少しでもこの状態に
入る事ができれば、
仕事や勉強に活用する事ができるのです。

アルファ波とシータ波の状態の違い

「ゾーン」や「フロー」
と呼ばれる究極の集中状態を
指す言葉がありますが、
「無意識」と「意識」の
中間の状態にいるとき、
脳内でシータ派が発生します。
だからこそ
「集中」と「喜び」「ひらめき」
が同時に発揮できる
特殊な状態なのです。
一方でアルファ波は
もちろんリラックス状態ですが、
雑念が頭をよぎるような状態です。
「ああ、あの資料を今日中にまとめないと、
でも会社に戻るのも面倒だな、
道も渋滞してるし…
それよりお腹すいたな、何食べ良っかな」
といった具合にとめどない
意識の流れがある状態です。
こうした時に脳内でシータ波は
出ていないのです。
シータ波が出ている状態は
一つの事に集中できている状態です。
潜在意識と成功法則は
深い関わりがあると言われますが、
この特徴を使えば、
人生に興味深い
変化をもたらせる可能性もあります。

シータ波の状態を作る簡単な方法

シータ波を意図的に作り上げる
一番簡単な方法は、
身体を動かすことです。
時に歩いたり、走ったりして、
場所を移動するような動きの時
シータ波は発生させやすいと言います。
海馬には自分の空間的な
位置を認識するためのGPSのような
役割を果たす場所細胞があります。
なので、移動しながら筋肉を動かすことで、
この部分が活性化して
シータ波が発生しやすくなるのです。
そういった意味では
歩きながら本を読んだ二宮金次郎は
シータ波を活用させた
勉強法と言えるかもしれません。
またシータ波を仕事や勉強に
活かすのであれば、
まず一番の前提が「好きな事をする」
と言えるのではないでしょうか。

好きこそ物の上手なれは脳的に正しい

昔から好きこそ物の上手なれと言われますが、
好きなものに対して、私たちは
積極的な興味を持って、
集中して取り組む事ができます。
まさに「没頭する」という状態ですが、
この時に脳内でシータ波が出ています。
すると海馬が活性化し、
新生ニューロンが増えて行き、
記憶力も高まり、創造性も上がり、
「好きこそ物の上手なれ」
という言葉が一番脳科学の
立場から見ても、
妥当性のある理論と言える
のかもしれません。
興味深い話があるのですが、
集中状態に入れば
周りの雑音が気にならなくなりますが、
これもシータ波のお陰である
と言う説もあります。
電車に乗って自分の大好きな作家の
面白い小説を読んでいると、
周りの音がまったく気ならず
いつの間にか時間が経っている…
という経験をした事があるかもしれませんが、
まさに周波数がある
数値で一定になる事で、
それ以外の周波数が意識に
上がらなくなるという、
脳波ならではの考え方です。

ワクワクがシータ波を発生させる

また
「面白い」「楽しい」「ワクワクする」
…と感じる事も
シータ波を発生させ、
記憶力の増強をもたらします。
感情によって変化する特徴があります。
なので、もし興味のない
仕事や勉強に取り組む時でも、
関心の持てる面を探し出して
取り込むことでシータ波は発生します。
逆に、無関心のままマンネリ化して
ルーティンワークになってしまうと、
シータ波は発生しなくなり、
脳の効率も落ちてしまうのです。
年を取って記憶力が落ちると感じるのは、
脳そのものの機能が低下するのでなく、
新しいことへの関心を抱かなくなるため、
自分でシータ波の発生しにくい
状況を作り上げているからとも言えます。
またどうしても
やる気が起こらないときなど、
シータ波を出す裏ワザとして
仮眠を取る事もおススメです。
シータ波はレム睡眠の時に
発生することが分かっているので、
25~20分程度の仮眠を取ると、
記憶を定着させて、新しい記憶を
取り込みやすくなる効果があります。
これは睡眠中に
海馬に一時的に保管された
短期記憶が、
大脳皮質に移動するので
海馬の記憶領域が確保されるため
だと言われています。
運動とともに仮眠をとり、
シータ波を発生させながら
学習を進めることで効率化が図れます。
ぜひ、参考にして実践して見て下さい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました